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外国為替市場というと、株式取引のように証券取引所が存在し、その取引所において取引が行われているように思われますが、物理的な取引所が存在しているわけではなく、各銀行が電話やその他の通信手段を通じて、お互いに為替レートを提示しながら取引を行う、いわゆる「オープン市場」が原則となっています。
約9割ほどの取引がEBSという略語で呼ばれている、電子ブローキングシステムの画面上で、取引が行われています。
外国為替市場では、株式市場のように取引所で取引された価格が唯一の価格ではなく、複数の価格が世界中で存在しています。
その訳は、外国為替の取引においては、銀行の当事者同士が相対で互いに納得出来る価格で取引するためです。
外国為替市場は、一般的にはテレビのニュースなどでも東京外国為替市場、ニューヨーク外国為替市場、ロンドン外国為替市場と呼ばれていますが、前述したように個々の取引所があるわけではなく、それぞれの取引時間帯によって呼び分けられています。
では、時間帯で世界の為替市場を追ってみると、まずは、最初にニュージーランドのウェリントン市場から始まりますが、ウェリントン市場ではまだ、為替レートの変動は小さいことが多いです。そして1時間後にはオーストラリアのシドニー市場が開き、次にアジア市場である東京市場、シンガポール市場と続き、徐々に取引に厚みが出てきます。
その後市場は、ヨーロッパに移り、ユーロ圏を中心とするロンドン市場が日本時間の夕方頃に開きます。そして日本時間の深夜ごろには、ニューヨーク市場が開き、取引にいっそう厚みが出てきて為替レートが大きく動きだすのもこのニューヨーク市場の時間帯になります。そして日本時間の早朝に、またニュージーランドのウェリントン市場に戻ります。
外国為替市場は週末や各国の祝日を除いて常に世界のどこかで取引されており、市場参加者も銀行の為替ディーラーや機関投資家に加え、個人投資家がマーケットに参加し多額の取引が行われています。
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